ランニングを始めたばかりの方や、これから始めようと考えている方で「朝のジョギングは体に悪いって本当?」、「ランニングを毎日するのは良くないって聞くけど、どうして?」と思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、朝のジョギングや毎日のランニングに伴う可能性のあるリスクと、その対策などを分かりやすく解説していきます。
朝のジョギングは本当に「体に悪い」の?
朝の空気の中を走るジョギングは、一日の始まりを活動的にする習慣のように思えます。
しかし、「朝のジョギングは体に悪い」という声も聞かれます。
ここでは、朝の体の状態から潜むリスクや安全に楽しむための方法までを解説します。
朝の体の特徴とリスク
朝の体は夜の休息モードから日中の活動モードへと切り替わる、特別な状態にあるため、夜間優位だった副交感神経から交感神経へとスイッチが入り、血圧が自然と上昇します。
また、睡眠中は水分を摂取しないため軽い脱水状態にあり、血液の粘度が高まりやすい傾向があります。
他にも、起床時は体温がまだ低く、筋肉や関節も固まっている状態であるなど、これらの要素が作用し、体は運動によるストレスに対して弱い状態であると言えます。
朝ジョギングに潜むリスクとは?
朝の体の準備が整わないうちに走り出すことには、いくつかのリスクがあるとされています。これらを理解し、対策をとることが安全なジョギングをするためには重要です。
血管などへの急な負担
朝は血圧が上昇しやすく、血液もやや固まりやすい状態にあります。
この状態でランニングを行うと、脈拍の増加とともに血圧がさらに上昇し、特に心臓に持病がある方や高齢者にとっては心筋梗塞などの心血管イベントのリスクが高まる可能性があると指摘されています。
筋肉や関節を痛めやすい?
体温が低く、筋肉や関節が十分に温まっていない状態で運動を始めると、筋肉の柔軟性が低下しているため、捻挫や肉離れといった怪我のリスクが高まります。
十分なウォーミングアップで筋肉や関節を温めてから走り出すことが重要です。
朝走るメリットと安全な実践法
ここまで朝ジョギングのリスクについて見てきましたが、もちろんメリットもたくさんあります。安全対策をしっかり行いながら実践していきましょう。
朝ランならではの嬉しい効果
朝のランニングには、脂肪燃焼の可能性のほか、精神的なメリットも大きいです。
一日の始まりに運動することで気分が高揚し、ストレスの軽減や、集中力アップも期待できます。
特に朝の光を浴びることは、体内時計を整え、セロトニンの分泌を促す効果があります。
他にも、以下のようなメリットが期待できます。
- 朝の運動は夜の睡眠の質を高める可能性
- 習慣化しやすい
- 脳の活性化も期待できる
「毎日ランニング」の落とし穴と最適な頻度は?
「毎日走れば、もっと速く、もっと健康になれるはず!」そう考えて、日々のランニングに励む方もいるかもしれません。
しかし、専門家や経験豊富なランナーからは、「毎日は勧められない」という声も聞かれます。
この章では、なぜ毎日のランニングが良くないのか、その理由と、最適な頻度を見つけるためのヒントをご紹介したいと思います。
なぜ「毎日」は勧められないの?
熱心さのあまり毎日走り続けることが、かえって体に様々な不調を引き起こす可能性がある理由を詳しく見ていきましょう。
怪我と免疫力低下の危険性
毎日走ることで、体には同じような負荷がかかります。十分な回復期間なしにこの負荷が続くと、疲労骨折や腱炎といった使いすぎによるリスクが著しく高まります。
また、適度な運動は免疫力を高めますが、過度で長時間の運動、特に十分な休息を行っていない場合は、一時的に免疫機能が低下する状態を引き起こし、感染症などにかかりやすくなってしまいます。
「超回復」を無視するとどうなる?
運動によって筋肉は損傷を受け、疲労します。その後、適切な休息と栄養を摂ることで、体は損傷を修復し、以前よりも少しだけ強く、または効率的になる「超回復」という現象が起こります。
毎日高負荷のランニングを続けると、超回復のための時間が十分に確保されず、パフォーマンスは停滞するか、むしろ低下してしまうことさえあります。
これがオーバートレーニング症候群や怪我のリスクを高める大きな要因です。
ランニングのべストな頻度は?
では、どれくらいの頻度で走るのが理想的なのでしょうか?
残念ながら、「誰にとってもこれがベスト」という答えはありません。
最適な頻度は個人の体力レベル、目標、回復能力によって大きく異なりますが、リスクや頻度から考えられる予防策などをまとめてみたので、是非参考にしてみてください。
頻度 | 考えられるリスク | 予防策やおすすめ |
毎日 | ・オーバートレーニング症候群 ・怪我のリスクが高い ・免疫力の低下 ・超回復不足 ・モチベーションの低下 | ・よほどの経験者や特別な目的がない限りおすすめしません ・毎日行う場合は低強度や短時間とすること ・積極的な回復策(栄養、睡眠、ストレッチ)などを徹底すること |
週3~5回 | ・やり方次第でオーバートレーニングの可能性 ・走行距離や強度にも注意が必要 | ・効果と回復のバランスが取りやすい傾向にある ・強度などに変化をつける ・最低1~2日は休養の目安とする |
週1~2回 | ・効果維持が難しい場合もある ・1回の負荷が高すぎると怪我のリスクがある | ・健康維持や他の運動との組み合わせには有効 ・1回のトレーニングの質を重視すること |
最適なランニング頻度に固定されず、自分の状態を確認しながら、自分に合った頻度を見つけることが大切です。
まとめ
ここまで、朝のジョギングや毎日のランニングに関する様々な情報を見てきました。朝のジョギングも毎日のランニングも、それ自体が「体に悪い」わけではありません。
重要なのは、自分の体の声に耳を傾けることです。疲労感、痛み、気分の変化など、体からのサインを見逃さず、それに応じて計画を調整するなどの柔軟性が求められます。
気になる方は、是非今回の記事を参考にして、挑戦してみてくださいね!